なぜ 高層雲 は中層雲なのか ~ 雲の種類の覚え方
2018/04/25
雲の種類の基本形として国際的に決められている10種雲形は、ラテン語から来ており日本名はこれらを直訳した感じで、コンパクトですが理解しづらいですね。
10種雲形は、雲の高度によって上層雲、中層雲、低層雲に大別されます。
上層雲は巻雲、巻積雲、巻層雲の3種類で、「巻」Cirro, Cirrusという文字が頭に付きます。中層雲は高積雲と高層雲で、「高」Altoが付きます。Altoは日本でも声楽で高音域のアルトとして使われていますが、ソプラノとテノールの間に属し中間を表す意味にもなるのです。
上層雲 高度 5~13km
巻雲 Círrus (Ci)
巻積雲 Cìrrocúmulus (Cc)
巻層雲 Cìrrostrátus (Cs)
中層雲 高度 2~7km
高積雲 Àltocúmulus (Ac)
高層雲 Àltostrátus (As)
下層雲 高度 ~2km
積雲 Cúmulus (Cu)
層雲 Strátus (St)
層積雲 Stràtocúmulus(Sc)
その他
積乱雲 Cùmulonímbus (Cb)
乱層雲 Nìmbostrátus (Ns)
高層雲はおぼろ雲、巻層雲はうす雲とも呼ばれます。これらの「層」strato, stratousは、水平方向への広がりを意味し、高さ方向で分かれる上層雲や中層雲の「層」とは異なります。
巻積雲はうろこ雲やいわし雲、高積雲はひつじ雲とも呼ばれ、「積」cumulo, cumulusは、かたまりや垂直方向の積み重なりを意味します。積乱雲は入道雲、乱層雲はあま雲とも呼ばれ、「乱」nimbo, nimbusは雨を伴います。
日本では、積乱雲を下層雲 、乱層雲を中層雲に分類する見方が優勢ですが、積乱雲は下層から上層まで発達し、乱層雲は下層にも現れるため違った考え方もあり、ここではあえてその他としています。
List of cloud types Wikipedia