地球温暖化でりんごが甘くなる?
2016/05/15
農研機構果樹研究所が、温暖化に伴ってリンゴの甘みが増すという食味の変化が起きていることを明らかにした。温暖化が原因で、青果物の味が変化している知見が示されたのは世界で初めてとのこと。
過去30~40年間にわたる蓄積データの分析結果によると、りんごは、温暖化の影響で、酸含量が減少し糖度が増加して、食感が甘くなってきており、一方では、硬度やみつの入り方が低下してきているとのこと。酸含量の減少は、温暖化に伴い発芽や開花が早まり、果実の生育期間が長くなっていることと、果実の成熟期の温度が高まることに起因すると推定している。
分析結果グラフ(長野県産ふじ)を見ると、ばらつきはあるが、年平均気温上昇とともに酸含量が減り糖度が増えている傾向にあるのがわかる。また、発芽日も年々早期化しているようだ。
りんごなどの果物は、やはり生ものであるため暑い時期は冷蔵庫に保存したほうが長持ちする。室温では、やわらかくなって腐食するまでの期間がより短くなるが、そのやわらかく変色したところに一層の甘みを感じる。特にバナナがより一般的でわかりやすい。
同一条件で栽培された同一品種の食味を、数十年の長期にわたって高い精度で調査を実施し、しかも地球温暖化の影響による知見を示したという意味で画期的なのであろう。
引用元:
地球温暖化でリンゴの味が変化している
農業・生物系特定産業技術研究機構 - 2013年8月20日
Changes in the taste and textural attributes of apples in response to climate change
nature.com - 15 August 2013